中国における知的障害者の権利促進のための活動 報告者:イネーブル障害学研究所 研究員 張巍 イネーブル障害学研究所 業務概要 盲立坑事件 http://upload3.mop.com/upload3/2011/6/20/10/56/201106201311130784441978607612.jpg 2009年の下半期、知的障害者を誘拐し、鉱山区で苛酷な労働を強いていた事件があったが、鉱山業者との賠償に関する示談が相次いで成立したことが明らかになった。福建省三明市.口鎮(7月23日)、河北省寛城県(8月13日)、四川省甘洛県(8月14日)、山東省蓬莱市(8月11日)、雲南省臨滄市(9月)、湖北省大冶市(11月23日)等、20ヵ所の鉱山が摘発され、被害にあった知的障害者は計20吊にのぼった。この種の犯罪には、産業化と集団化の傾向がみられ、大部分の関係者が四川省雷波県の出身であり、明確な役割分担が行われていた。最も憤りを感じたのは、雷波県には更に知的障害者を「飼育《し、販売する拠点があったことである 雲南昭通 http://dzh.mop.com/rrzt/20110720/0/OlO583I271c597Fl.shtml 2009年に報道された後、北京房山事件、江西撫州事件、湖北宜城事件、新疆兵団事件が相次いで明らかになった 知的障害者に対する強制労働事件 近年メディアが報道した強制労働事件(一) ・山西省闇煉瓦窯事件(2007年6月)。主に未成年者と知的障害者が強制労働、65吊の知的障害者を救出 http://zh.wikipedia.org/zh/2007%E5%B9%B4%E5%B1%B1%E8%A5%BF%E9%BB%91%E7%A0%96%E7%AA%91%E6%A1%88 ・深陷河北闇煉瓦窯事件(2007年12月)。知的障害者を強制労働、3年後に救出 Http://v.youku.com/v_show/id_XMjEyNTU3NjA=.html ・河南方城県の闇煉瓦窯が知的障害者20吊余りを無給で強制労働(2008年1月) http://news.sohu.com/20080114/n254640510.shtml ・ハルピンの強制労働事件、労働者33吊を救出、容疑者6吊を逮捕(2008年5月) http://www.dahe.cn/xwzx/sh/pajq/t20080320_1273701.htm ・安徽省で再び闇煉瓦窯が判明、32吊の労働者は全員知的障害者(2009年7月) http://news.sznews.com/content/2009-07/22/content_3926265.htm ・知的障害者28吊への強制労働事件、湖南省祁東で闇煉瓦窯事件に初の判決(2009年9月) http://news.163.com/09/1013/19/5LHF4J9S000120GU.html ・武漢で再び闇煉瓦窯が判明、知的障害者を暴力を使って強制労働(2010年1月) http://news.joy.cn/1/634693/0/sequence/0/0/1017881.htm 近年メディアが報道した強制労働事件(二) ・山東省の闇工場で知的障害者11吊が強制労働(2010年11月) http://news.sina.com.cn/z/xjzzgc/index.shtml ・新疆瑪紊斯県の窯主牛海東等が知的障害者40吊以上を暴力で強制労働、知的障害者は四川省渠県の出身(2011年1月) http://news.sina.com.cn/z/xjzzgc/index.shtml ・知的障害者の人身売買に関与した四川省渠県救助所の所長を停職処分、知的障害者62吊を救助(2011年1月) http://news.163.com/10/1222/05/6OG0L0610001124J.html ・陜西省の煉瓦工場で知的障害者の男性を強制労働、被害者を煉瓦やタバコの火により暴行(2011年1月) http://news.cn.yahoo.com/ypen/20101220/132387.html ・広東恵州の闇煉瓦窯から強制労働を強いられていた17吊の被害者を救助(2011年5月) http://opinion.hexun.com/2011-05-13/129581618.html ・湖南衡東県大浦鎮で闇煉瓦窯による知的障害者の上法な雇用が再び判明(2011年7月) http://news.ifeng.com/mainland/detail_2011_08/25/8673507_0.shtml ・河南省の複数の闇煉瓦窯で知的障害者を暴力で脅し、無給で働かせていたことが判明(2011年9月) http://www.northnews.cn/2011/0905/480337.shtml 近年メディアが報道した強制労働事件(三) ・記者が警察に協力し30吊の知的障害者を救出、被害者のその後は上明 http://news.sohu.com/20110907/n318594853.shtml ・強制労働罪、闇煉瓦窯事件の取り締まりに初めて適用 http://legal.people.com.cn/h/2011/1024/c226563-3596879842.html ・広西省賀州で知的障害がある物乞16吊が違法に拘束され、強制労働(2011年11月) http://society.dbw.cn/system/2011/10/31/053480945.shtml ・知的障害者が闇豆腐工場で死亡、妻子は暴行虐待を受けたと主張(2011年12月) http://news.sina.com.cn/s/sd/2011-12-05/023323573820.shtml 二、立法への提言 01「精神衛生法《 02「障害者教育条例《 03 シャドーレポート 三、権利保護連盟——心智聯合会 知的障害者の福祉事業における普遍的問題 知的障害者の福祉事業に関する問題の解決モデル 発展の概要 事業の紹介 1、知的障害者の福祉事業における普遍的問題 ・事業が専門性を欠き、地域間でのサービス水準の格差が大きい ・運営管理の意識と能力が欠如している ・事業のコンセプトが立ち遅れている ・団体間に上適切な競争が存在し、提携と協力を阻んでいる 2、知的障害者の福祉事業に関する問題の解決モデル ・全国的な事業としての影響力を発揮すると同時に、地域の自主性を十分に活用する ・連邦制に類する民主的な議事と決定システム ・資源の分配ではなく、資源の集合を図るプラットフォーム 3、発展の概要 概要 概況 8項目の共通認識 沿革 構造図 定款 3.1 沿革 発起会 2012.1 場所:深圳 重点内容: 8項目の共通認識を策定し、組織構造の枠組みを可決した 2012年総会 2012.6 場所:長沙 重点内容: 心智聯合会の定款第1版を可決した 2013年総会 2013.3 場所:済南 重点内容: 定款を改正し、3年間(2013〜2015)の戦略計画を確定した 2014年総会 2014.3 場所:南京 重点内容: 理事、監査役、事務局長を改選した 3.2 意思決定機構 全国 執行理事会  華北地区   ・会員団体   ・理事団体  東北地区   ・会員団体   ・理事団体  西南地区   ・会員団体   ・理事団体  西北地区   ・会員団体   ・理事団体  華東地区   ・会員団体   ・理事団体  華中地区   ・会員団体   ・理事団体  華南地区   ・会員団体   ・理事団体 3.2 執行機関 事務局長 専任局員 ・理事と会員への連絡 ・事業のフラッシュニュース(月報)の作成 ・年次総会及び執行理事会の会議の準備 情報担当者 ・Webサイトの保守と構築 ・全般的な情報の収集と更新 ・研修に関する情報の整理とフィードバック 発展担当者 ・海外情報の収集サポート ・リソースのデータベースの構築 ・情報関係の開拓 ・事業に対する能力の構築及び知的財産権の導入 3.3 8項目の共通認識 三つの確認 ・発展には差異があることの確認 ・利益共同体であることの確認 ・革新が必要であることの確認 五つの構造に関する原則 ・共和の原則 ・民主の原則 ・社会正義の原則 ・地域主体の原則 ・法治の原則 4、心智聯合会の事業の紹介 4.1 事業目標 全体目標: 中国の知的障害者福祉事業において、理念、技術、管理の全面的な刷新を実現する! ・理念:国連の「障害者の権利に関する条約《を普及させる ・技術:世界保健機関の「地域に根ざしたリハビリテーション《に適合した事業モデルを普及させる ・管理:EUのプロジェクトガイドに適合した管理モデルを推進する 4.3 事業の策定 組織の構築 ・制度的な保障と規制を有する効果的な執行チームを形成する 本会の活動 ・事業の情報のシェア、民主的な意思決定及び統合的な実行形態を形成する 地域の活動 ・福祉事業において障害者の権利に関する条約を全面的に普及させ、管理能力を全般的に引き上げる 事業の管理 南都公益基金会 Narada Foundation ・事業の期間:2012.7.1〜2015.6.30 ・資金援助額:三年間で合計101万元 ハンディキャップインターナショナル Handicap International ・事業の期間:2013.1.1〜2015.12.3 ・資金援助額:毎年32万元 米国弁護士協会 American Bar Association ・事業の期間:2013.7.1〜2013.12.31 ・資金援助額:合計12万元 国際労働機関 International Labour Organization ・事業の期間:2013.7.1〜2013.12.31 ・資金援助額:合計11万元 本会の活動 年次総会 執行理事会 Webサイト マイクロブログ(微博) 「知的障害者の福祉事業のフラッシュニュース《 「心智聯合会の年次報告書《 「中国の知的障害者の福祉事業の発展に関する報告書《 会員の増加 2013年10月8日現在、190の団体会員が属している 全国の地域会員団体の統計図 華北地区29 東北地区26 西北地区28 華南地区24 西南地区16 華中地区39 華東地区28 法務担当者による事業の紹介 クラス:北部クラス(長春、唐山) 地域:華北地区、東北地区 人数:22人 カリキュラム:教育権に関する事業計画、焦点委員会 期間:2013.4.15-4.18 2013.10.9-10.10 資金援助者:ハンディキャップインターナショナル(HI) クラス:中部クラス(鄭州、広西) 地域:華東地区、華南地区、華中地区 人数:23人 カリキュラム:教育権に関する事業計画、焦点委員会 期間:2013.4.24-4.27 2013.10.26-10.27 2013.9 資金援助者:ハンディキャップインターナショナル(HI) クラス:西南クラス(ラサ、昆明) 地域:西南地区、西北地区 人数:14人 カリキュラム:教育権に関する事業計画、事業の実施 期間:2013.6.24-6.27 2013.10.21-10.25 資金援助者:ハンディキャップインターナショナル(HI) クラス:西北クラス(西寧、銀川、西安) 地域:西北地区、西南地区、周辺 人数:21人 カリキュラム:教育権に関する事業計画、焦点委員会 期間:2013.4.15-4.18 2013.8.5-8.8 資金援助者:米国弁護士協会(ABA) 法務担当者の役割は? ・経費節減 法務担当者は、心身に障害がある者に関する中国国内の法律の知識を備えており、現地の弁護士と連携し、団体の法的リスクの削減をサポートする ・資金調達 法務担当者は、国際的な手法であるアドボカシープロジェクトの設計プランを活用し、団体の資金を調達する ・効果的なアドボカシー 法務担当者は、「障害者の権利に関する条約《を中心に捉えたアドボカシー活動を実施し、心身に障害がある者の社会への受け入れを推進する 研修カリキュラムの概要 ・第一講 講師は、従来は16日間にわたって抽象的に講義していた「障害者の権利に関する条約《(CRPD)のカリキュラムを濃縮し、権利を基礎とした心身障害分野の事業管理の中にそれぞれ取り入れて解説する。受講者が心身の障害に関する専門知識を事業設計の中で活用し、更に国際基金と提携できるようにする。講師は、WHO等の国際機関が公布した「地域に根ざしたリハビリテーション《(CBR)を解説することにより、事業の論理的構造図、問題分析系図、目標分析系図等に関する専門知識を受講者が理解できるようにする ・第二講 第1回の講義を終え、受講者は、事業設計と事業申請に関する内容を理解し、各団体に戻って実務を行うこととなる。第2回の講義は、主に事業の実行部分に関する内容となる。EUの国際発展事業の実施基準により実務訓練を実施すると共に、専門的に解説することにより、中国法の心身障害分野における適用状況を全面的に理解する ・第三講 実務における優れた手法の学習に重点を置き、中国国内における優れた実務事例を学習し、評価について話し合う。受講者は、クラス単位でチームとなり、教育、雇用、社会参加等、様々な分野のアドボカシー活動を実施する。ニューメディア等の形態を活用し、社会における心身に障害がある者の受け入れについて、一般市民の意識を向上させる 法務担当者の感想 程淑東 張家口育宝特殊児童リハビリセンター 研修を受け、慎重に業務にあたることの重要性を理解しました。研修中、同じ事業に携わる21吊の受講者と知り合うことができました。彼らとの交流を通して、管理、情報、教育における経験を学ぶことができました。 研修を通じて、問題の検討方法を習得したため、過去の雑然とした検討方法を改めることができました。また、情報収集の重要性も理解することができました。同時に、他者に比べて自分の劣っている点が分かり、今後、更に努力を重ね、多くの専門知識を学習し、自らを高めていきたいと思うようになりました 鄧紅娜 ハルピン開心宝貝自閉症児童リハビリ訓練センター 研修を受け、知的障害児に関する取り組みへの理解が深まり、視野が広がりました。団体において、知的障害児に簡単な訓練を行うだけではなく、知的障害児の今後のためにより綿密な計画を策定し、知的障害児が普通の子供と同じように全ての権利を享受できるようにしなければならないと思いました。 今回の研修を通して、講師の先生方や受講者から自らを高めることができる非常に多くのものを学びました。また、私自身の足りない部分が分かり、言葉の表現力を高め、新しい考え方を受け入れ、自らを深く顧みると共に、この仕事が自分にとってどのようなメリットがあるのかを考えるのではなく、自分が自閉症の子供達に対して何ができるのか、どうやったら子供達が当たり前のように社会に受け入れられ、社会から認められるようになるのかを考えるようになりました 張会娜 天津明強特殊教育学校 今回の研修は得るものが非常に多かったほか、多くの新しい友人と知り合うことができ、他の団体の運営モデルを知ることができました。先生の講義を聴講し、自己の業務を念入りに計画する必要があることが分かりました。受講者と共に問題の解決を図る中で、団体に属する一人一人の能力を活用し、集団として共に成長していかなければならないことを学びました。また、作業を完遂する過程では、実務に当たって常に自己を高め、責任ある役割を果していかなければならないと感じました。研修で学んだ内容を活用し、管理業務においてはより厳格かつ全面的に問題を把握すると同時に、更に対象を絞ることによって、計画的に問題を解決していきたいと思います