• REASE 調査報告

障害者の日常・経済活動調査(追跡調査)調査報告

調査報告書

更新情報(2017.4.11)
2017年3月2日に掲載した「調査報告書」の「集計結果概要」に誤りが見つかりましたので、修正版を掲載いたします。
修正箇所:
p7 図1-1 精神障害者の男女比率の数値に誤りがありました。
p8 図1-2 知的障害者、精神障害者の男女比率の数値に誤りがありました。
以上、お詫びして訂正いたします。

 本調査報告書は、文部科学省科学研究費補助金(以下、科研費)の学術創成研究費 19GS0101「総合社会科学としての社会・経済における障害の研究」(READ、Research on Economy And Disability、研究代表者:東京大学大学院経済学研究科教授・松井彰彦)の主要調査研究として2009年(平成21年)7月より行った、障害者の生活を調査するためのアンケート調査「障害者の日常・経済活動調査」(以下、前調査)、および科研費基盤研究(S)24223002「社会的障害の経済理論・実証研究」(REASE、Research on Economy And Social Exclusion、研究代表者:同上)の主要調査研究として2015年度(2016年)に行った「障害者の日常・経済活動のアンケート調査(追跡調査)」(以下、本調査)の集計結果概要および調査資料をまとめたものである。
 本調査は、障害に伴う様々な問題を解決する糸口になるべく、障害者の経済生活の総合的な実態把握を目的として行われた。特に注視したのは障害者の就労を含む生活の状況である。就労・雇用の状況をはじめ、生活全般について踏み込んだ調査を行うことにより、障害者の経済的自立の現状把握ならびに課題が明らかになると考えた。
 本調査における2009年度および2015年度(2016年)のデータはパネルデータ(同一サンプルから得られたデータ)となっている。パネル調査を行うことにより、最近の制度変化や環境変化が個々人にどのように影響を与えているか、より的確な実態把握が可能となり、今後の課題が明確になると考えられる。
 2つの調査は、障害者団体および各団体の会員をはじめとする多くの方々の協力なしには成し遂げ得なかったものである。ここに謹んで感謝を申し上げたい。また、本調査に加わらなかった前調査のメンバーにも感謝を申し上げたい。これらの調査結果が、障害者施策をはじめとする社会保障政策および労働雇用政策に携わっている方々、ご関心を持たれている方々にとって有益な参考資料として広く利用・活用されることを切に願う。

 平成29年3月吉日 東京大学大学院経済学研究科教授 松井彰彦

調査概要

 科研費学術創成研究費 19GS0101「総合社会科学としての社会・経済における障害の研究」(READ、Research on Economy And Disability、研究代表者:東京大学大学院経済学研究科教授・松井彰彦)は、その主要調査研究として、2009年(平成21年)7月より、障害者の生活を調査するためのアンケート調査「障害者の日常・経済活動調査」(以下、前調査)を行った。また、科研費基盤研究(S)24223002「社会的障害の経済理論・実証研究」(REASE、Research on Economy And Social Exclusion、研究代表者:東京大学大学院経済学研究科教授・松井彰彦)は、その主要調査研究として、2016年1・2月に、「障害者の日常・経済活動のアンケート調査(追跡調査)」(以下、本調査)を行った。これら二つの調査はパネル調査として構築するようデザインされている。この章では、後者の調査の概要について述べる※1。
 ※1 前調査に関しては、REASEサイト内のREADのアーカイブ を参照されたい。

1 調査の目的

 本調査は、2009年~2010年にかけて科研費学術創成研究費 19GS0101「総合社会科学としての社会・経済における障害の研究」が実施したアンケート調査「障害者の日常・経済活動調査」の追跡調査で、障害者が日常生活で経験している社会からの障壁や経済的負担、障害者差別解消法や国連の障害者権利条約の影響を調べることを目的としている。

2 調査対象

 障害者団体の18歳以上の会員を対象とした前調査への協力者のうち、前調査時に今後の調査に「協力したい」あるいは「協力できるかもしれない」と回答した方を調査対象とした。調査にご協力いただいた団体は、この章の末尾に一覧を示す。

3 調査票の構成

 調査票は4種類あり、肢体不自由者・難聴者・中途失聴者・盲ろう者編(以下、身体障害者編)、ろう者編、精神障害者編、知的障害者編より成る。各調査票の質問内容は、就労や生活実態に関する多くの共通質問と、障害に応じて異なる質問より構成される。

4 調査時期

 本調査は、2016年1月から2月にかけて配布・回収された。表1-1は各調査票の配布および回収に関する情報を、調査票別にまとめたものである。

5 調査経路

 調査票の配布経路は団体によって異なるが、REASEより団体に一括送付し、団体を通じて個々の対象者に配布する方法、団体の了解を得てREASEより対象者に直接配布する方法、のいずれかで配布を行った。いずれの場合も密封回収を行った。

6 調査票配布・回収状況

 全体では808の調査票が送付され、うち473票が回収された(表1-1)。回収率は58.5%である。回収された調査票のうち、1票は無効回答票として扱った。無効回答票を除いた有効回答票数は472票であり、配布された調査票数に占める割合は58.4%である。

7 調査票記入方法

 調査票の記入は原則本人による。しかしながら、本人による記入が困難な場合には、代理人による調査回答を依頼した。代理人記入数は158票であり、有効回答票の33.6%に上る。

表 1-1 調査票配布・回収状況

配布数回収票数有効回答票数代理記入数団体数
身体障害者編 447274274627
ろう者編6536*3501
精神障害者編119515102
知的障害者編177111111962

*ろう者編の回収票のうち1票は団体非会員(前回調査時は会員)

8 標本抽出と回答者の特徴

 前調査の抽出法では、回答者の選定は各団体による。標本抽出に際しては、各団体の活動範囲内でできるだけ回答者の性質に偏りが少なくなるよう配慮を求めた。具体的には、特定の地域で活動を行っている団体には会員全体のなかで年齢等の属性になるべく偏りなく、全国で活動している団体には、全国の居住地域ブロックおよび都道府県の人口規模等ができるだけ均等になるように回答者の選定を依頼した。また、本調査は就労の実態調査を主要目的としているため、18歳以上の回答者の選定を依頼している※2。本調査では2.を参照されたい。
 ※2 その他の詳細については、READの調査報告書 を参照されたい。

9 利用上の注意

 本調査は基本的に今述べた標本抽出法に基づいて収集されたものである。サンプルの分布、特徴などの詳細については、REASEのホームページ上に詳細な単純集計、クロス集計表として掲載している。これらを参照されたい。しかしながら、それらの集計表は2016年度で生産年齢に若干の補正を加えたものと、2009年時点で今後の調査に「協力したい」あるいは「協力できるかもしれない」と回答した方の調査から構成される。すなわち、2009年のサンプルと2016年のサンプルは同一人物に二時点で調査を行ったものと、2016年に18歳から25歳までのサンプルを補正したものの二つの標本の集合がある。REASEのホームページあげられている集計表は後者を基準にしている点に注意されたい。

調査にご協力いただいた団体一覧
・身体障害者編
 一般社団法人全日本難聴者・中途失聴者団体連合会
 社会福祉法人日本盲人会連合
 社会福祉法人全国盲ろう者協会
 全国自立生活センター協議会(JIL)
 公益社団法人全国脊髄損傷者連合会
 特定非営利活動法人日本せきずい基金
 骨形成不全友の会
・ろう者編
 一般財団法人全日本ろうあ連盟
・精神障害者編
 特定非営利活動法人青森ヒューマンライトリカバリー
 特定非営利活動法人全国精神障害者団体連合会
・知的障害者編
 全国手をつなぐ育成会連合会
 公益財団法人日本ダウン症協会(JDS)

調査報告書 (PDF 7.2MB)
集計表 (エクセルファイル -xlsx file)
単純集計表 総合編
単純集計表 肢体障害者・難聴者・中途失聴者・盲ろう者編
単純集計表 ろう者編
単純集計表 精神障害者編
単純集計表 知的障害者編
クロス集計表 総合編
クロス集計表 総合編(生産年齢)
クロス集計表 総合編(地域別)
クロス集計表 総合編(地域別_生産年齢)
クロス集計表 総合編(年齢別)
クロス集計表 総合編(年齢別_生産年齢)
クロス集計表 肢体障害者・難聴者・中途失聴者・盲ろう者編
クロス集計表 肢体障害者・難聴者・中途失聴者・盲ろう者編(生産年齢)
クロス集計表 ろう者編
クロス集計表 精神障害者編
クロス集計表 知的障害者編